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基地関連苦情 最多903件 岩国5月 騒音測定も更新 1402回

 岩国市へ5月、市民から寄せられた米軍岩国基地に絡む苦情件数は903件(前月比155件増)で、月別の過去最多になった。基地周辺の騒音測定回数も南側の尾津町で1402回(同91回増)を記録し、2010年の滑走路沖合移設後で月別最多。いずれも2カ月連続で更新した。空母艦載機が東京・硫黄島で実施した陸上空母離着陸訓練(FCLP)の関連とみられる運用が活発化し、騒音被害が拡大した。

 苦情の内訳は「航空機騒音」が817件と全体の9割を占めた。基地撤去を訴える意見など「その他」85件、「工場・市街地の上空飛行」1件。市設置の騒音測定器では、北側の川口町でも1154回(前月比27回増)を記録した。

 厚木基地(神奈川県)の艦載機約60機は3月末に岩国への移転を完了。5月3日に始まったFCLPは当初、13日までの予定だったが、終了は25日にずれ込んだ。この間、岩国基地で艦載機などの離着陸が増加。8日には艦載機が滑走路に着陸直後に離陸する「タッチ・アンド・ゴー」を繰り返し、同日だけで尾津町で200回、川口町で139回の騒音を記録。市への苦情は176件に上った。

 30日からは艦載機のパイロットが空母への着艦資格を得る訓練(CQ)も岩国を拠点に九州沖で始まり、騒音悪化につながった。CQは今月3日に終わった。

 艦載機を載せる原子力空母ロナルド・レーガンは周辺海域の警戒任務に当たる長期航海中で、艦載機も行動を共にする。市基地政策課は「艦載機が岩国を離れている間の騒音状況も注視し、一定期間をかけて市民生活への影響を検証したい」としている。(松本恭治)

(2018年6月7日朝刊掲載)

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