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平和の願い 一字一字に 広島 原爆死没者記帳始まる

 広島市は8日、原爆死没者名簿の記帳を始めた。昨年8月6日以降に亡くなったか、死亡を確認した被爆者の名前を書き加え、今年8月6日に平和記念公園(中区)で営む平和記念式典で原爆慰霊碑に納める。

 市が今月7日までに把握した広島原爆の新たな死没者は2676人。記帳を担当するのは、いずれも南区在住の被爆者で元市職員の池亀和子さん(76)と中本信子さん(75)。この日、市役所の一室で、名簿を前に手を合わせて黙とうした後、名前と死亡年月日、年齢を筆で丁寧に記した。

 29回目の記帳となる池亀さんは「ご冥福を祈り、核のない平和な世界を願いながら一字一字記したい」。18回目の中本さんは「亡くなられた方の被爆当時や、生きてこられたこれまでの思いに心を寄せたい」と話した。

 昨年8月5日までに記帳された死没者は30万8725人で、名簿は112冊。他に「氏名不詳者多数」と書かれた1冊と遺族が望んだ長崎原爆の被爆者9人を載せた1冊がある。市は8月5日まで記帳申請を受け付ける。市原爆被害対策部調査課☎082(504)2191。(辻本夕貴)

(2018年6月9日朝刊掲載)

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