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在韓被爆者の証言を映像で記録 伊藤園美さん自主制作

■記者 森田裕美

 広島市南区の映像作家、伊藤園実さん(47)が韓国の被爆者の人生を追った記録映像作品を自主制作した。8日午後7時から、広島市中区袋町の市まちづくり市民交流プラザで上映会を開く。

 「狂夏の烙印(らくいん) 在韓被爆者になった日から」と題し、72分。朝鮮半島出身者が広島・長崎で被爆した経緯や祖国でも差別を受け、日本政府の援護から置き去りにされた在韓被爆者の人生を、証言と字幕で淡々と伝える。

 伊藤さんは夫の転勤で2000年に北海道から広島に来たのがきっかけで、戦時下に朝鮮人が建設にかかわった地下壕(ごう)の歴史を調べ始めた。たびたび韓国に渡り、2005年に記録映像にまとめた。

 その後も在韓被爆者支援にかかわり、2002年から聞き取ってきた生の声を伝えようと新たな作品づくりに取り組んだ。「在韓被爆者が置かれた現実を知ってショックだった。実情を知った者の責任として伝え続けたい」と話す。上映会は無料。DVD貸し出しにも応じる。伊藤さんTel090(9734)3691。

(2009年2月4日朝刊掲載)

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