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いじめ根絶へ サダコに学ぶ 兄の雅弘さん 中学生に思いやり訴え

 佐々木禎子さんの兄の雅弘さん(76)たちが運営するNPO法人サダコレガシー(福岡県)がピンクの折り鶴を作って、いじめや差別の根絶を目指すキャンペーンを開始した。5月末、平和学習のため広島市を訪れた岡山市北区の御南中2年生300人を前に、雅弘さんが思いを語った。

 禎子さんは「生きたい」という願いを折り鶴に託して12歳で亡くなり、雅弘さんは妹の思いを伝える講演を続けてきた。しかし国内外でいじめなどの問題が絶えないのを踏まえ、新たな活動に踏みだした。ピンクのTシャツを着て、いじめ反対を訴えるカナダ発祥の運動に着想を得たという。

 雅弘さんは中学生たちを前に、病床の禎子さんが妹や弟を心配して「お母ちゃん、うちのことはええけえ、早く帰ってやって」と家族を思いやっていた逸話を紹介。「みなさんも自分の心を見つめ直し、相手を心配し気遣いができる人になってほしい」と思いやりの大切さを訴えた。

 話を聞いた御南中の土山蓮華(れんげ)さん(13)は「病気でも一生懸命生きた禎子さんのように毎日、人に思いやりを持って接していきたい」と力を込めた。(桑島美帆)

(2018年6月12日朝刊掲載)

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