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[イワクニ 地域と米軍基地] 騒音対策新交付金 北広島町長は慎重 低空飛行の容認を懸念

 米軍岩国基地(岩国市)への空母艦載機の移転完了を踏まえ、騒音被害対策のため、広島県が国に創設を要請した市町向けの新たな交付金制度に関し、同県北広島町の箕野博司町長は12日、「措置を求めることは低空飛行訓練の容認と取られかねない。慎重な対応が必要だ」と述べた。在日米軍基地に絡む交付金を巡り、県とは異なる認識を示した。

 箕野町長はこの日の町議会一般質問で、県の要請について「否定するものではない」と述べた一方、「まずは町民が生活する地域での低空飛行訓練の中止を求めていきたい」と強調した。制度が整えば活用を検討する考えも示した。

 新たな交付金制度を巡っては、広島県は5月の中国地方知事会で国への要請を主張し、共同アピールに盛り込むよう調整したが、島根県が北広島町と同様の理由で同調しなかった経緯がある。採択されたアピールでは米軍の訓練空域のある自治体に「必要な措置」を講じるよう求め、財源措置の要請には踏み込まなかった。

 広島県内で2017年度に目撃された米軍機とみられる低空飛行は延べ1881件。うち北広島町は1221件と3分の2近くを占めた。(山田太一)

(2018年6月13日朝刊掲載)

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