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イノウエ米上院議員死去 広島とハワイ 橋渡し

 日系初の米連邦議員で、17日に88歳で死去したハワイ州選出のダニエル・イノウエ上院議員は、広島県とハワイ州の友好事業で広島市を訪れるなど広島とゆかりが深く、オバマ米大統領が被爆地訪問の意向を示した際も支持を表明していた。県は近く、弔電を送る。

 イノウエ氏は2002年5月、4日間の日程で広島市を訪問。県とハワイ州の友好提携5周年の記念式典に出席したり、広島からのハワイ移民の歴史を紹介する企画展の開幕式に出席したりした。

 当時、開館準備中の大和ミュージアム(呉市)の資料収集をしていた呉市の相原謙次・広市民センター長は、県の紹介でイノウエ氏に会った。「何か協力が必要なら声を掛けて、と言われた。オーラとともに温かみのある人だった」と振り返る。

 イノウエ氏は11年、日本記者クラブ(東京)での記者会見で、オバマ大統領が「任期中に被爆地を訪問できれば名誉なこと」と発言したことに関し、「すばらしい」と支持を表明。被爆地訪問には米国内で賛否があるが、「母が広島出身。この問題には敏感だ」と語っていた。

 友好提携15周年のことし8月、ハワイ州を訪問し、イノウエ氏と面会した湯崎英彦知事は「平和都市としての広島を支持してくれていた。大きな理解者を失った」と話した。(新本恭子)

(2012年12月19日朝刊掲載)

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