×

ニュース

原発の津波対策視察 原子力顧問 中電と意見交換も 島根県松江

 中国電力島根原子力発電所(島根県松江市鹿島町)の稼働に対し、島根県に意見する県原子力安全顧問の4人が18日、同原発を視察した。福島第1原発事故を受け、中電が進める津波対策の状況をチェック。「設備面の対策はかなり進んでいる」と指摘した。

 全員が原発の運転技術の核となる原子炉工学の専門家で、うち3人は初めて訪れた。島根原発の岩崎昭正発電所長の案内で、完成間近の3号機の原子炉や3号機周辺の海抜15メートルの防波壁を見学した。

 意見交換では、4人は中電側に熱心に質問。放射性物質の放出を抑えるフィルター付きのベント(排気)設備の設置時期(2015年度内)を「少し遅い」などとただした。中電は「耐震性を持たすため慎重に設計している」と答えた。

 視察後は県庁に溝口善兵衛知事を訪ねた。イタリア・ミラノ工科大エネルギー工学科の二ノ方寿教授は「予期せぬ事態に備えられるよう、訓練などで職員の緊張感を保つことが重要だ」と強調した。(樋口浩二)

(2012年12月19日朝刊掲載)

年別アーカイブ