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オバマ大統領へ千羽鶴 米在住仲井さんと生徒たち

■記者 梅原勝己

 世羅町出身で米国カリフォルニア州在住の主婦が地元の子どもたちと作った千羽鶴が、州選出議員を通じてオバマ大統領に届けられることになった。取り組みを伝える現地の新聞を見て、古里の両親も喜んでいる。

 主婦はサンフランシスコ郊外に家族5人で11年前から住む仲井かおりさん(38)。次男(11)が通う私立校で指導した折り鶴教室の評判が広がり、地元紙「ザ・サン」「カリア」がオバマ大統領就任式(1月20日)の翌日に報じた。

 記事で、仲井さんが「大統領に平和のシンボルを届けたい」とコメント。その後、州選出の日系下院議員マイク・ホンダ氏が「手渡したい」と学校に申し出たという。

 仲井さんの母方の祖母富士谷ヨシエさん(92)=三原市大和町=は被爆死した義兄とめいを捜すために入市被爆した。仲井さんは小さいころから惨状を聞き、平和の大切さを教えられた。

 「新しい大統領に思いを託したい」と昨年12月、千羽鶴づくりを提案。学校ぐるみの取り組みとなり、生徒と保護者300人が折り方を仲井さんに習い、赤、白、青で星条旗をイメージした千羽鶴を完成させた。

 世羅町本郷の実家に仲井さんから届いた記事は父石原正俊さん(73)が翻訳。母の暁子さん(67)は「母の記憶が孫に受け継がれたのでしょう」と感慨深げだった。

(2009年2月3日朝刊掲載)

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