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健康・環境 不安の声噴出 地上イージス 萩など説明会終了

 地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の山口県内への配備計画で、防衛省は19日、萩市などでの住民や議会への3日間の説明を終えた。各会場ともほぼ満席と関心は高く、健康や環境への不安の声が噴出。同省は今後も説明を続ける一方、夏以降に現地調査する方針を強調した。

 説明会は、候補地の陸上自衛隊むつみ演習場のある萩市と一部立地する阿武町が対象。17~19日に計3会場であり、延べ600人超が訪れた。中国四国防衛局の赤瀬正洋局長や同省職員が北朝鮮への弾道ミサイル防衛の強化策として配備の必要性を説明した。

 演習場そばの同市むつみ地区では18日夜に開かれ、約230人が参加。「電磁波の影響は」「農作物の風評被害が心配だが、補償はあるのか」などと質問が相次いだ。19日夜の市内での説明会でも「住民がやめろと言えば計画を撤回するのか」などの意見が出た。

 同省は地元の市町議会にも説明。19日の阿武町議会では、配備後に100人を超える自衛隊員が常駐するとして「地域活性化につながる」と利点を挙げた。

 一方、藤道健二市長はこの日の市議会一般質問で「納得していないものを『受け入れる』と言うつもりはない」と答弁。花田憲彦町長も報道陣に「住民の疑念が残ったまま調査されても困る」とくぎを刺した。赤瀬局長は「現段階で地元の懸念を払拭できたとは考えていない。今後も説明を続ける」と話している。(和多正憲)

(2018年6月20日朝刊掲載)

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