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建て替え計画 正式発表 広島アンデルセン 被爆建物登録へ

 広島市中区の本通り商店街に残る唯一の被爆建物、広島アンデルセンの建て替え計画を、持ち株会社のアンデルセン・パン生活文化研究所(中区)は19日、正式に発表した。旧館2階に残る被爆外壁のうち17・3%に当たる約50平方メートルを再利用して残す。市は新しい建物を、引き続き被爆建物として登録する。

 被爆した外壁は、旧館(2階建て)の本通り商店街に面する北側と東側の計約290平方メートル。東側部分を切り取り、5階建ての新店舗の東側に貼り付ける。北側は老朽化が激しく、安全面から再利用が難しいと判断した。新店舗に使わない被爆外壁をどうするかは未定としている。

 アンデルセングループは被爆外壁の一部を切り抜いて強度を調べるなど保存や利用の方法を探ってきた。市とも協議を重ね、被爆外壁の再利用で被爆建物の登録を続ける形を選んだ。

 7月上旬から、8階建ての新館を含めて解体作業に入り、2020年の完成を目指す。同グループは「広島の企業として社会的な意義を考え、被爆外壁を残すことを決めた」としている。

 旧館は帝国銀行広島支店だった1945年に被爆。67年に同グループが購入し、パンの製造販売やレストランなどの店を開いた。16年1月に営業を休止し、現在は中区紙屋町に仮店舗がある。(山川文音)

(2018年6月20日朝刊掲載)

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