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被爆樹木 保存考えよう 佐伯区でシンポ 公開治療など紹介

 被爆樹木の保存や活用法を考えるシンポジウムが21日、広島市佐伯区の市植物公園であった。日本植物園協会(東京都)と広島市みどり生きもの協会(中区)が開き、全国の植物公園関係者たち約80人が参加した。

 西区の樹木医の堀口力さん(73)が講演。市内で約160本が登録されている被爆樹木の一部をスクリーンで示し、市民と一緒に幹や根を観察しながら保護する「公開治療」の取り組みを紹介。「原爆被害を伝える歴史の宝だが2、3年に1本は枯れている。被爆から70年以上がたち、保存の重要性は増している」と訴えた。

 市植物公園と連携し各国に被爆樹木の種や苗を届けているボランティア団体「グリーンレガシーヒロシマ」(中区)の報告もあった。参加した高知県立牧野植物園職員の前田綾子さん(48)は「樹木を守ることからも平和を考えることができるという強いメッセージを感じた」と話していた。(高橋良輔)

(2018年6月22日朝刊掲載)

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