×

ニュース

学生の被爆証言者育成へ 山口「ゆだ苑」 県立大に講座意向

 山口県原爆被爆者支援センターゆだ苑(山口市)は被爆体験の証言者として大学生を育成する。山口県立大(同市)に寄付講座を設ける意向を近く伝える。28日に同市であったゆだ苑の在り方を探る検討委員会の会合で決めた。

 寄付講座では、受講する大学生に県内の被爆者の体験やゆだ苑の歴史、活動などを紹介し証言者になるための基礎知識を伝える。講座を終えた後も希望する学生には個別に指導する。検討委員長で自治労県本部の桝本康仁執行委員長は「大学生から証言者が出てくれれば活動が広がり、継承につながる」と期待する。

 県立大は、加登田恵子学長がゆだ苑の評議員を務め、2015年から学生と協力し被爆者の個人史の聞き取りを始めた。これまで13人分を冊子にまとめるなど被爆体験の継承に取り組んでいる。

 ゆだ苑によると県内の証言者は山口、岩国市など74~91歳の被爆者15人。地元の小中学校などから依頼を受けて被爆体験を語っている。高齢化で減少の一途をたどっている。

 会合ではまた、夏にスイス・ジュネーブの国連欧州本部へ反核署名を届ける「高校生平和大使」に、県内の高校生を派遣できるか検討すると決めた。(佐藤正明)

(2018年6月29日朝刊掲載)

年別アーカイブ