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「統一碑」化の議論たどる 韓国人原爆犠牲者慰霊碑 中区で研究者が講演

 広島市中区の平和記念公園にある韓国人原爆犠牲者慰霊碑に関する講演会が30日、中区であった。北朝鮮側の犠牲者も対象となる「統一碑」建設を巡る議論をたどった。

 在日コリアンの原爆被害を研究する九州大大学院生の高橋優子さん(37)=岩国市=が講演。公園外にあった慰霊碑を園内に移す議論の際、統一碑にする案があったが、1999年にそのまま移設した経緯を振り返った。

 高橋さんは文言などで市や在日本大韓民国民団、在日本朝鮮人総連合会の調整がつかなかったとし、実現に向け「被爆者を弔う本来の目的を見失わないことが重要」とした。

 韓国の原爆被害者を救援する市民の会広島支部が主催し、約130人が聞いた。当時を知る関係者も参加し、「統一碑ができないのは市の責任が大きい」「コリアンの犠牲者を広く知ってもらう必要がある」などと話した。(畑山尚史)

(2018年7月1日朝刊掲載)

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