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基地南の騒音回数半減 岩国市尾津6月 艦載機の運用影響

 米軍岩国基地(岩国市)南側の尾津町で6月に測定された騒音回数は644回で、2010年の滑走路沖合移設後で月別最多だった前月(1402回)の半数を下回った。厚木基地(神奈川県)から移転した空母艦載機が岩国を離れ、空母の長期航海に同行しているため。艦載機の運用が基地周辺にもたらす環境変化の一端が明らかになった。

 市は市内5カ所で騒音を常時測定し、基地周辺では南側の尾津町と北側の川口町に測定器を設置。市によると、6月は川口町も562回で前月(1154回)の半数を下回り、残る3カ所も同様だった。日別で見ると、尾津、川口両町とも20回未満だったのは17日あり、うち3日は測定が1回もなかった。

 6月に市民から市に寄せられた基地関連の苦情は672件。騒音回数と連動するように月別で過去最多だった前月(903件)の7割強に減った。ただ依然として高水準が続いている。

 艦載機約60機の岩国移転は3月末に完了し、基地所属機は既存の海兵隊機を含めて約120機に倍増。艦載機は5月初旬以降、東京・硫黄島で陸上空母離着陸訓練(FCLP)、九州沖で着艦資格取得訓練(CQ)を相次ぎ実施した。岩国での離着陸も活発になり騒音が悪化した。

 一方、空母ロナルド・レーガンは5月末、母港の横須賀基地(神奈川県横須賀市)を出港。艦載機を搭載して洋上展開しており、岩国基地周辺の騒音回数が減少した。近年の空母の入出港状況を踏まえると、次の帰港は8月ごろの可能性があり、同時期に艦載機は岩国へ戻る。(松本恭治)

(2018年7月3日朝刊掲載)

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