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原爆朗読劇 来年で終幕 広島など全国公演「夏の会」

 原爆体験記の朗読劇を毎夏、全国各地で上演してきた渡辺美佐子さん(85)らの俳優グループ「夏の会」(中村たつ代表、11人)が、来年で長年の活動を終える。メンバーの高齢化が理由。6日、東京から鹿児島まで12カ所を巡る今年のツアーの一環で、広島市の安芸区民文化センターの舞台に立った。

 1985年から原爆朗読劇を続けた「地人会」を受け継ぎ、2008年に「夏の会」を結成。被爆者の手記や峠三吉の詩などで構成する「夏の雲は忘れない」の上演を、これまでに約200回重ねた。10年には谷本清平和賞を受賞した。

 この日は、同区の船越中の約190人と一般客が観劇した。渡辺さんと高田敏江さん、日色ともゑさんら6人が情感のこもった朗読で原爆の悲惨さを訴え、同中の生徒5人も子ども役などで出演した。

 終演後、渡辺さんは生徒に「私たちの跡を継ぎ、原爆のことを伝えて」と語り掛けた。(西村文)

(2018年7月7日朝刊掲載)

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