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戦没者追悼式を一本化 尾道市が初 旧市町遺族会高齢化で

 広島県尾道市は8月24日、太平洋戦争などで亡くなった戦没者たちの市全体での追悼式を初めて開く。昨年までは合併前の旧市町単位で五つの遺族会がそれぞれ営んできた。会員が高齢化するなど継続が難しくなったため一本化し、市が主催することにした。(中間卓也)

 市によると、式は同市向島町の市民センターむかいしまで約1時間の予定。市内の遺族会会員たちが戦没者の追悼と平和を願うあいさつをした後、献花する。高校生による、戦没者遺族の手記の朗読もある。一般の参加もできる。

 追悼式は昨年まで、尾道、因島、御調町、向島町、瀬戸田町の各遺族会が、夏から秋を中心に開催していた。市によると、各団体とも会員が減り、高齢化も進行。運営が難しくなっているという。近年は、複数の団体から市が主催してほしいという要望があったが、断っていた。ことしは5団体全てから要望があったため、合同での開催を決めた。

 県内では、府中市や江田島市などが追悼式を主催しているほか、遺族会や社会福祉協議会などと協力して開いている自治体もある。

 尾道市内では2016年、因島の被爆者でつくる「因島地区原爆被害者友の会」が高齢化などで解散。戦争の記憶の継承が課題になっている。

 市社会福祉課は「戦争の悲惨さと平和の大切さを市民に再確認してもらうきっかけにしてほしい」としている。

(2018年7月7日朝刊掲載)

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