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被爆証言会 仲間が継承 冨恵さん死去1年 バーも再開

 広島市中区の繁華街で毎月6日、被爆証言会を開いてきたバーテンダー冨恵洋次郎さんが37歳で亡くなり、1年が過ぎた。仲間たちが証言会を続けている。

 今月6日の会では故人をしのんで黙とう。集まった約30人が、初めて参加する西区の被爆者、久永洪(ひろし)さん(83)の話に耳を傾けた。今春、就職で地元に戻ってヒロシマを学び始めた安佐南区の会社員今井拓哉さん(24)は「敷居が低く感じられ、証言を聞きに行きやすい」と話した。

 生前の冨恵さんから証言会の存続を託されたシンガー・ソングライターのHIPPY(ヒッピー)さん(37)は「被爆者から話が聞けなくなる日は近い。話す人がいる以上、絶対に続けたい」と意気込む。

 また冨恵さんが経営したバー「スワロウテイル」も高校の同級生で飲食店経営迫田匡人さん(38)=中区=がスタッフを探し、3日に再開した。「洋次郎が、まだどこかにいるような気がする。本人が目指したように人と人がつながり、次へ旅立てる店に」と語る。(山本祐司)

(2018年7月16日朝刊掲載)

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