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「やってはいけない戦いだった」 100歳の元兵士 ノモンハン語る 浜田で集い

 旧日本軍と旧ソ連軍が1939年に旧満州(中国東北部)とモンゴルの国境付近で武力衝突したノモンハン事件を語り継ぐ会が21日、島根県浜田市殿町の浜田護国神社であった。元兵士の柳楽林市さん(100)=出雲市大津町=が体験談を語った。

 柳楽さんは38年1月、浜田市の陸軍歩兵第21連隊に入り同7月、広島市の宇品港から中国大陸に渡った。39年7月、ノモンハン事件の戦闘で右腕を負傷した。

 柳楽さんは、遺族や浜田高生徒たち約20人を前に、ノモンハン事件での軍の暴走を指摘。「天皇陛下の命令で戦っていたと思っていたのに。やってはいけない戦いだった」と述べた。その上で、「戦前のような軍隊は絶対につくってはならない。暴走しないよう国民がしっかり監視するしかない」と述べた。

 語り継ぐ会は事件の風化を防ごうと、遺族たちが2004年から毎年、追悼式と合わせて開催。体験者の参加は14年から柳楽さんだけとなっている。(梨本晶夫)

(2018年7月22日朝刊掲載)

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