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「原爆の絵」描く奮闘劇 神石高原で公演 基町高生の姿伝える

 広島市中区の基町高の生徒による「原爆の絵」の制作過程を題材にした演劇の公演が21日、神石高原町のさんわ総合センターであった。福山市出身の作家井伏鱒二の生誕120年を記念し、小説「黒い雨」を広める同町住民有志のプロジェクトの一環。

 「青年劇場」(東京)が「あの夏の絵」と題して公演し、約200人が来場した。美術部の生徒が、被爆者の悲惨な記憶と向き合い一枚の絵を仕上げる姿を伝える。経験していないことを表現する生徒の葛藤も盛り込んだ。

 公演後は基町高卒業生やプロジェクト実行委員会の重松文宏会長(82)の座談会があり、遺体やがれきを描く苦労などを語った。卒業生で広島市立大芸術学部4年の岡本実佳枝さん(22)は「被爆者が高齢化する中で危機感があった。私たちが描かなきゃ、被爆者の記憶は生きていかない」と振り返った。

 同町小畠の三和協働支援センターで25日~8月15日、「原爆の絵」のパネル22点を展示する。午前8時半~午後5時。(高本友子)

(2018年7月22日朝刊掲載)

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