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核禁条約 課題など議論 広島で国際シンポ ICANメンバーら

 広島市立大、中国新聞社、長崎大核兵器廃絶研究センター(RECNA)が共催する国際シンポジウム「平和への扉を開く―核兵器禁止条約と、これから」が22日、広島市中区の広島国際会議場であった。260人が参加し、条約発効の課題や朝鮮半島非核化に関する議論に聞き入った。

 非政府組織(NGO)「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN(アイキャン))のティム・ライトさん(33)が基調講演。条約への署名を広げる活動を続けており、「世界の大半の国々が署名すると信じている。その国々は比類なき脅威を取り除くため全力を注ぐはずだ」と述べて日本政府の署名を強く求めた。

 続くパネルディスカッションでは、朝鮮半島情勢が焦点となった。広島市立大広島平和研究所の孫賢鎮(ソンヒョンジン)准教授が「6月の米朝首脳会談は新しい相互関係を樹立し、信頼関係を形成する第一歩」と評価。国際政治学者の成蹊大の遠藤誠治教授は「核抑止力は結果的に核拡散を招く。圧力一辺倒の外交ではなく、戦争そのものが起こらないようにすべきだ」と述べた。

 また「北東アジア非核兵器地帯」を提唱するRECNAの鈴木達治郎センター長は「非核地帯が実現するかもしれない。そこに日本も加われば核の傘から脱却できる」と語った。(桑島美帆)

(2018年7月23日朝刊掲載)

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