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体験記に見るヒロシマ 追悼祈念館 資料館も元日開館

 広島市中区の国立広島原爆死没者追悼平和祈念館で1日、被爆後のヒロシマで復興に携わった人の体験記を集めた通年企画展「ヒロシマ復興への歩み-被爆後の混乱を生き抜く」が始まった。12月28日まで。無料。

 所蔵する被爆体験記約13万編の中から17編を紹介。焼け残った民家の3割に被爆から2週間後に電力供給を再開した電力会社の幹部や、被爆者の外科手術の無償化を広島日赤病院(現広島赤十字・原爆病院)に求めた勤務医の取り組みなどを伝えている。

 被爆後の市内を初めて走った路面電車に乗務した女性車掌は「お金のない人からは電車賃をもらわんでも、ええ」との方針で市民生活の再建を急いだ会社の姿勢を回顧。戦後初の公選での広島市長、故浜井信三さんは「不断の努力をつづけていれば、自ら道は開ける」と信念をつづっている。

 孫と訪れた中区の主婦桜井都恵(くにえ)さん(72)は「希望を持ち、努力することの大切さが伝わる」と話していた。

 祈念館と原爆資料館はことし初めて、元日から開館。祈念館によると、元日も、毎年開いている1月2、3日と同程度の来館者があったという。(柳岡美緒)

(2013年1月3日朝刊掲載)

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