×

ニュース

上関原発計画 補足説明3度目要求 山口県 免許延長判断遅れる

 山口県上関町の上関原発建設予定地の埋め立て免許延長問題で、県は4日、延長を申請した中国電力に対し、3度目の補足説明を求める文書を送った。免許延長の判断は、今月下旬以降にさらにずれ込む見通しとなり、原発反対派は「免許の失効を引き延ばす方便ではないか」と県の対応を批判している。

 県港湾課によると、昨年12月25日に中電からの2度目の回答を受けて審査を再開したが、「不明な点がまだ複数ある」として4日午後に広島市中区の中電本社に補足説明を求める文書を発送した。県による補足説明の要求は昨年10、11月に次いで3度目。

 県は「具体的な内容は明らかにできない」としている。県は今回も回答の目安を3週間と見込んでおり、昨年10月7日午前0時に期限切れを迎えた免許の延長問題は、一連の手続きで判断が3カ月以上先延ばしされることになった。

 上関原発建設に反対する環境保護団体「長島の自然を守る会」の高島美登里代表は「県は上関原発計画の復活を待っていると思われても仕方ない。上関原発計画自体がストップしているのに何の説明を求める必要があるのか」と批判している。(金刺大五、久保田剛)

上関埋め立て審査長期化 知事「正当な理由 吟味」

 山本繁太郎知事は4日の会見で、上関原発建設計画をめぐる公有水面埋め立て免許の延長審査が長引いていることについて「設計変更などを含む申請なので、特に慎重に(免許延長の)正当な理由があるかどうかを吟味している」と説明した。

 県は、中国電力から延長申請を受けた10月上旬以降、この日も含め計3度も中電に補足説明を要求。審査が中断している。

 山本知事は「延長申請は適法な手続きなので、法律上の審査をするために必要な質問をして、判断しようとしている」と強調。「手続きの様子をみて知事の振る舞いが変わったとか、言うことが変わったとかいうふうには理解しないでほしい」とし、方針変更の可能性について審査中なので免許権者として明言はできないが「不許可」とする自らの方針に変わりないことも示唆した。(金刺大五)

(2013年1月5日朝刊掲載)

年別アーカイブ