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岡山県笠岡市職員の菅さん帰省報告 福島派遣 国の情報提供遅れ指摘

 東日本大震災で被災した福島県浪江町に派遣されている岡山県笠岡市職員の菅謙治さん(39)が4日、三島紀元市長に初めて現地の状況などを報告した。菅さんは福島第1原発事故に関して「国などからの情報提供が早ければ、町民の健康不安は生じなかった」と説明した。

 同市水道課に所属していた菅さんは、希望して昨年4月からことし3月末まで派遣されている。休暇を利用して12月29日から今月6日まで帰省。この日、市役所で三島市長たちに報告書を提出した。

 菅さんは内陸部の二本松市内の臨時町役場で当初は国保や年金を担当。今は放射線健康管理の業務もこなす。「被爆者健康手帳の交付要請に向け、内部で準備している。国などから連絡がない中で町民は避難を強いられた。汚染状況を事前に知らされていれば、無用な放射線被曝(ひばく)を防げた」と報告書を基に訴えた。

 大震災には普段からの訓練の大切さ、被災後には病気の感染防止に歯ブラシが必要と紹介。「被災した職員のメンタル面もサポートしていきたい」と今後を語った。(谷本和久)

(2013年1月5日朝刊掲載)

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