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次代へ継承 被爆70年史 広島市 20年ぶり市史刊行

 被爆70年記念事業として編さんしていた「広島市被爆70年史」が完成した。執筆を担った専門家グループ「編修研究会」の勝部真人会長(広島大大学院教授)たちが26日に会見し、次世代への継承など約20年ぶりの市史刊行の狙いを語った。

 タイトルは「あの日まで そして、あの日から 1945年8月6日」。軍都としての発展から、原爆による壊滅と焦土からの復興、戦後の核兵器廃絶運動まで、明治以降の近現代史を一冊にまとめた。お好み焼きや「広島フォーク村」など、市民生活や若者文化も記述。朝鮮半島出身者をはじめとする在外被爆者にも触れた。

 市史は、95年の被爆50年史以来の刊行となる。勝部会長は「新たに見つかった資料や最新の研究成果を盛り込んだ」と強調。原爆被害も現時点での集大成と位置付け詳述した。「被爆者が高齢化する中、若い世代への継承を意識して平易な記述に努めた。ぜひ読んでほしい」と話した。

 A4判、800ページで3900円。被爆や復興に関する10人の証言映像を収めたDVDも付属する。28日からフタバ図書(広島市西区)の県内各店舗で、30日から市公文書館で販売する。同館☎082(243)2584。(明知隼二)

(2018年7月27日朝刊掲載)

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