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紛争地の子どもにエール 広島の団体 折り鶴 パキスタンに届ける

 イスラム武装勢力を告発して銃撃された、パキスタンの少女マララさんをはじめ、紛争下の子どもを励まそうと、被爆者の岡田恵美子さん(76)=広島市東区=の呼び掛けで集まった折り鶴が、広島YMCA(中区)の職員らによって現地の学校などに届けられた。

 約200羽を届けたのは、同国への教育支援をしている広島YMCA国際コミュニティーセンターの岩垂竜太郎さん(45)ら。東部ラホールにあるラホールYMCAと、アフガニスタン難民が通う小学校を訪れ、手渡した。

 岩垂さんによると、ラホールYMCAは、マララさんが訴える女性の権利拡充に共感。折り鶴をロビーに展示しマララさんに手渡すチャンスを探る。難民が通う小学校は、日本のYMCAの資金援助でラホールYMCAが運営。「平和を祈って折られた被爆地広島の鶴です」と説明しながら75人の子どもたちに渡した、という。

 岩垂さんは「民族や国、宗教を超えた平和の大切さを少しずつでも伝えていきたい」と話していた。

 広島世界平和ミッション(広島国際文化財団主催)で2005年にパキスタンを訪れ、被爆体験を証言した岡田さんは、折り鶴が届いたことに感謝。「パキスタンの子どもたちに笑顔が戻るよう心から祈っている」と願っていた。(増田咲子)

(2013年1月7日朝刊掲載)

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