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故中沢啓治さんをしのぶ ビデオ通じ思い継ぐ 基町小でお別れの会

 昨年暮れに73歳で亡くなった、漫画「はだしのゲン」の作者、中沢啓治さんと交流していた基町小(広島市中区)が7日、冬休み明け初日の学校朝会に合わせて、お別れの会を開いた。全校児童約100人が参加した。

 体育館であった会では、中沢さんが2011年の同小創立40周年に寄せた「麦のようにたくましく、真っすぐに伸びて豊かな穂を出す人間になってください」とのビデオメッセージを紹介。舟入本町(中区)に生まれ、原爆で父、姉、弟を亡くした体験を基に「ゲン」を描き、昨年12月19日に永眠するまでの人生をスクリーンに映して振り返った。

 二宮孝司校長は「厳しさと優しさを持った中沢さんの魂を受け継いで」と呼び掛けた。児童を代表し、6年谷塚龍君(12)が「平和学習をしっかりして、悲惨なことを繰り返さないようにしたい」と誓った。同小は11年5月~12年6月、平和学習などで計4回、交流を重ねてきた。

 昨年9月に中沢さんを招いた矢野南小(安芸区)では、仏円弘修校長が学校朝会で「中沢さんの思いを大事にして、一日一日を大切に生きていこう」と述べ、約700人の全校児童で黙とうした。(二井理江)

(2013年1月8日朝刊掲載)

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