×

ニュース

上関原発 「新政権との調和期待」 中電社長、山口県庁を訪問

 中国電力の苅田知英社長は9日、山口県庁を訪れ、同県上関町での原発建設計画をめぐり、「新政権になり、ハーモニー(調和)が少しはできると思う」と述べ、民主党政権が示した「2030年代の原発ゼロ方針」を、自民党中心の政権が見直すことへの期待感を示した。山本繁太郎知事と柳居俊学議長への年始あいさつの後、記者の質問に答えた。

 苅田社長や山下隆会長ら幹部7人が知事室と議長室をそれぞれ訪問。非公開で各20分ほど面談した。年始あいさつにとどまり、上関原発に関する話題は出なかったという。

 苅田社長は「前政権はエネルギー基本計画がはっきりしなかった。新政権は時間をかけながら骨格をはっきりさせるという。しっかりした計画が出れば、それに沿って事業者は設備を考えていく」と述べ、新政権のエネルギー政策を見守る考えを示した。

 中電は昨年10月、期限を迎えた建設予定地の公有水面埋め立て免許の延長申請をした。県の判断はまだ出ておらず、苅田社長は「すぐの工事再開は難しいと理解した上で、国の政策が決まるまでは現状維持をお願いしたい」と強調。「重要な電源なので時間がかかるかもしれないが、建設させてほしい」と上関原発の必要性を主張した。

 苅田社長は、12年度の電力供給計画で「未定」とした上関原発計画の本体着工の時期についても、3月に発表する13年度の同計画で確定的なスケジュールを提示することは難しいという認識も示した。(金刺大五)

(2013年1月10日朝刊掲載)

年別アーカイブ