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リーパー理事長辞任へ 広島平和文化センター 米の義父母介護

 広島市の外郭団体、公益財団法人広島平和文化センターのスティーブン・リーパー理事長(65)が3月末に辞任することが10日、分かった。任期は5月に開かれるセンターの評議員会までだった。米国に住む義父母の介護などが理由という。

 リーパー氏は2007年、市の平和行政の一翼を担うセンターで初の外国人理事長となった。国際非政府組織(NGO)の関係者たちとの人脈を生かし、センターに事務局を置く平和市長会議の海外加盟都市の拡大をはじめ、核兵器廃絶に向けた国際的な活動に尽力した。

 中国新聞の取材に対しリーパー氏は、介護や自身の年齢を考慮したと説明。4月に帰国して、米アトランタ市を拠点に平和活動を続けるとし、「今後も広島の平和施策をサポートしたい」と述べた。

 センターの会長を務める松井一実市長に12年11月、辞意を伝え、了承されたという。市は後任の人選を急ぐ。

 リーパー氏は米イリノイ州出身。1973年に来日し、翻訳や通訳をしながら平和運動に携わった。02年から平和市長会議事務局スタッフなどを務め、秋葉忠利前市長が07年4月、8代目理事長に任命した。(田中美千子)

(2013年1月11日朝刊掲載)

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