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原発推進政策中止を訴え 原水禁 福島で世界大会開幕

 原水禁国民会議などの原水爆禁止世界大会が28日、福島市での福島大会で開幕した。東京電力福島第1原発事故から7年が過ぎた今なお課題が山積する被災地の現状を踏まえ、「国の原発推進政策をやめさせる」とするアピール文を採択した。

 全国各地から約640人が集まった。大会の藤本泰成事務局長は放射線の健康への影響の不安や仕事、教育の事情などから古里への帰還が進まない状況を指摘。「福島の原発事故を決して忘れてはならない」と、脱原発運動の強化を訴えた。

 被災地を代表し、事故発生時の対応に当たった福島県南相馬市の桜井勝延前市長も登壇。若い世代を中心に1万人以上が転出した市の実情を踏まえ、「原発から離脱し、新しい社会に踏み出そう」と呼び掛けた。

 第21代高校生平和大使として8月にスイス・ジュネーブの国連欧州本部へ反核署名を届ける福島市の高校2年鈴木真宝さん(17)が「核は広島、長崎の原爆のように一瞬にして命を奪い、福島のように目に見えない放射線で命ある者の夢も奪う」と強調。「核廃絶の声を上げ続ける」と宣言した。

 大会は会場を広島、長崎に順次移し、8月9日まで続く。

 一方、日本原水協などの世界大会は2日、広島市での国際会議で開幕する。(田中美千子)

(2018年7月29日朝刊掲載)

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