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原水禁関係者が登壇へ 原水協広島大会 分裂後初めて

 日本原水協などが8月に広島市で開く原水爆禁止世界大会で、原水禁国民会議の関連団体である「平和フォーラム」の共同代表の福山真劫(しんごう)氏が登壇する。福山氏は2009年まで原水禁の事務局長を務めた。原水爆禁止世界大会が、運動方針の違いなどを理由に原水協と原水禁によって別々に開かれるようになって以降、原水協の大会で原水禁関係者が発言するのは初めてという。

 福山氏は4日、原水協などの世界大会・広島の開会総会で、「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」共同代表としてあいさつする。

 原水禁運動は、旧ソ連による核実験の評価を巡る意見の対立から1960年代に分裂。毎夏の世界大会は共産党系の原水協と旧社会党系の原水禁がそれぞれ開くようになった。77年からは両団体統一の開催となったが、86年から再び別々に開かれている。

 原水協によると、昨年から福山氏の登壇を打診してきたという。原水協の高草木博代表理事は「さまざまな経緯や立場の違いはあっても、核兵器の禁止、廃絶に向かうため一致できるところは協力したい」と説明。福山氏も「現政権の暴走を止め、脱原発や沖縄の新基地建設阻止も果たすには、共闘に踏み出さねばならないとの思いはある」と話す。

 ただ大会の再統一については、両団体とも「見通しは立っていない」としている。(田中美千子)

(2018年7月29日朝刊掲載)

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