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被爆者の住宅建てた米活動家 シュモーの献身紙芝居で伝える 

広島の団体 4月完成へ

 被爆者のための住宅を建てた米国の平和活動家フロイド・シュモーさん(1895~2001年)を通し、平和を築く大切さを知ってもらおう―。広島市の市民グループが、4月完成を目指し、シュモーさんの紙芝居作りに取り組んでいる。(増田咲子)

 昨年11月に開館した「シュモーハウス」(中区江波二本松)の案内などをしている「シュモーさんの『ヒロシマの家』を語りつぐ会」(中区、今田洋子代表、7人)。原爆資料館(中区)をガイドしているヒロシマ・ピース・ボランティアの有志3人が、2004年に結成した。

 紙芝居は計11枚。今田さんの友人に頼み、水彩の柔らかいタッチで描いてもらった。原爆で広島が焦土と化した場面で始まる。被爆者のために募金を呼び掛けたシュモーさんが来日。リヤカーで資材を運ぶ姿を見た市民たちが、次第に親しみを感じるようになり、庭造りを手伝う場面もある。

 紙芝居作りは、シュモーさんが建てた家に住んでいた人たちから聞いた証言を基に物語を考えるなど、11年春から準備してきた。

 完成すれば、中区の保育園や幼稚園などに贈る予定。今田さんは「国や人種を超え、被爆者支援のために尽力したシュモーさんの精神を多くの人に知ってもらいたい」と話している。

フロイド・シュモーさん
 被爆後の広島や、朝鮮戦争後の韓国などで戦災者のための住宅建設などに尽くした米国の平和活動家。広島では1949~53年、被爆者たちのために「広島の家」建設に努めた。住宅、集会所計21戸を建て、うち16戸を広島市に寄贈。83年、市から特別名誉市民の称号を贈られた。2001年、105歳で亡くなった。

(2013年1月14日朝刊掲載)

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