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米軍機騒音問題 測定器運用に温度差 島根県西部3市2町 公表拒否

 島根県西部で相次ぐ米軍機の低空飛行訓練とみられる騒音の実態把握に向け、県が昨年末、3市2町に無償貸与した騒音測定器の運用に、自治体間で温度差が生じている。こまめにデータをまとめて公表する自治体もあれば、外部からの問い合わせに回答を拒む例も。機器の誤操作もあった。(石川昌義、黒田健太郎、川上裕)

 機器設置以降の騒音状況を各市町に取材した。浜田、江津両市と邑南町が騒音発生の有無と件数、音量を即答した一方、益田市は「県からの貸与品なので市としては回答しない。県にはその都度、騒音の実態を報告している」(桂木正則危機管理監)とした。

 川本町は測定器の設定を誤り、8日午前までデータを記録していなかった。邑南町は昨年12月11日、町役場と北西約6キロの日和公民館に設置したが、公民館設置分について1カ月にわたりデータを確認していなかった。

 県は計560万円で測定器9台を購入。浜田、益田、江津の3市と邑南町に各2台、川本町に1台を、それぞれ貸与した。12月中旬に公共施設の屋上などへ設置している。

 県によると、電話の呼び出し音や騒がしい街頭の音量に相当する70デシベルを上回った際、異常な騒音として自動計測する。

 県は、測定器の記録容量に限界があるため、データを1週間おきにパソコンへ移して保存する作業を自治体側に求めている。しかし、市町の担当者の間には「操作方法に慣れていない間は、データから米軍機の騒音の特徴を読み取りにくい」との声も漏れる。

 住民や報道機関からの問い合わせや、機器の誤操作について、県消防防災課は「非公表にする必要はない。各市町で対応できる態勢をつくりたい」としている。

(2013年1月16日朝刊掲載)

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