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原発事故対応 島根3ヵ所に拠点 中電方針 松江・出雲・安来に

 中国電力は16日、島根原子力発電所(松江市鹿島町)の事故時の対応に当たる「災害対策支援拠点」として松江、出雲、安来市の計3施設を選定する方針を明らかにした。放射性物質の拡散と風向きを考慮。原発約9キロの島根支社に加え、同30キロ前後に東西方向の2カ所を選んだ。

 災害対応の手順を定める防災業務計画の修正案に盛り込み、同日、島根、鳥取両県と松江市に提案した。関係者によると提案があった拠点は、同支社のほか出雲市が原発から約34・5キロの中電知井宮変電所、安来市が同約28キロの安来運動公園。島根県などと協議の後、3月に正式決定する。

 昨年9月に改正原子力災害対策特別措置法が施行。原子力規制委員会が、福島第1原発事故で東京電力の対策拠点となっている原発から約20キロのスポーツ施設「Jヴィレッジ」並みの施設を選ぶよう求めていた。

 対策拠点の役割として規制委は、原発への物資輸送など後方支援のほか、作業員に対する放射性物質の汚染検査や総理官邸との通信連絡を挙げている。

 中電は防災業務計画見直しの中で、対策拠点の選定方針を示した。過酷事故に備えた防災訓練の実施も追加した。(樋口浩二)

(2013年1月17日朝刊掲載)

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