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被爆者調査へ訪朝団 原水禁が来月 意見交換も

 北朝鮮に住む被爆者の実態を調べるため、原水禁国民会議が9月に訪朝団を派遣することが1日、分かった。朝鮮半島の非核化を巡って、政府関係者との意見交換にも臨むという。原水禁が被爆者調査を目的に本格的な訪朝団を派遣するのは2008年以来となる。

 原水禁などでつくる「在朝被爆者支援連絡会」の福山真劫(しんごう)事務局長たち8人が、9月6~13日の8日間の日程で訪朝する。現地の「朝鮮被爆者協会」と交流し、被爆者の健康状態や生活実態を聞き取るほか、9日の建国70周年の記念式典に参加したり、軍事境界線のある板門店を訪れたりする予定でいる。

 原水禁は4月の南北首脳会談、6月の米朝首脳会談を受け、訪朝の可能性を探ってきた。7月中旬には福山氏と広島県原水禁の金子哲夫代表委員が訪朝。広島、長崎で被爆し、北朝鮮に住む人に関する朝鮮被爆者協会の追跡調査の中間報告を受けた。08年に確認された被爆者382人のうち、少なくとも51人が死亡していたという。

 福山氏は「在朝被爆者は何の援護も受けないまま、高齢化が進んでいる。早急に実態をつかみ、日本政府に必要な支援を訴えたい」と強調。「朝鮮半島の非核化を加速させるための手だても話し合いたい」としている。(田中美千子)

(2018年8月2日朝刊掲載)

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