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絵画語る 原爆の惨状 丸木夫妻の複製展示

 広島市安佐北区安佐町飯室出身の画家丸木位里と、俊(とし)夫妻の合作「原爆の図」の複製5点を展示する「里帰り展」が、旧安芸飯室駅にある駅舎カフェRomuiで開かれている。6日まで。入場無料。

 地元の宇津自治会が「飯室で生まれ育った位里さんを知らない人が増えている。作品を通じて戦争や平和を考えてもらいたい」と初めて企画した。

 「火」「原子野」「救出」は原画の2分の1(縦90センチ、横360センチ)。「幽霊」「水」は4分の1(縦45センチ、横180センチ)で、全15部作のうちの5作を壁に掲げる。原爆投下後に夫妻で広島入りし、廃虚を歩いて目の当たりにした惨状を描く。原爆の図丸木美術館(埼玉県東松山市)から借り受けた。

 2日は、米軍が原爆の威力を測定する装置の投下に使った落下傘にまつわる講話がある。区内に落ちた落下傘の切れ端を使い、修学旅行生に語り伝える近くの河田至さん(69)が午前10時半から話す。戦争や平和の紙芝居の披露、住民の戦争体験の講話もある。

 カフェの免田洋子代表(58)は祖母を原爆で亡くし、母も被爆した。「忘れちゃいけんことを伝える責任がある。広島原爆の日を前に、原爆の図をぜひ見てほしい」。午前9時~午後3時。☎090(4579)8663。(山田英和)

(2018年8月2日朝刊掲載)

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