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祈りの泉 初の大改修 平和公園 広島銀、10月までに

 広島市中区の原爆資料館南側にある噴水池「祈りの泉」が、初めて大規模に改修される。広島銀行(中区)が1964年に建設して市に寄贈した施設で、同行が10月までに老朽化した部分を直す。平和記念公園のシンボルが一新する。

 祈りの泉は、円と楕円(だえん)の池が同心円状に3重に並ぶ構造で、最も外側の楕円は縦19メートル、横27メートル。1分間に10トンの水を噴き上げる。改修は、噴水の高さがばらついていたノズル全459本を交換し、池の内側の石材を塗装する。建設時に据えた石碑は、生け垣の茂みに埋もれたため配置を見直す。日本語と英語の説明看板を新たに設ける。

 広島銀が11月に迎える創業140年の記念事業として取り組む。平和記念式典後の今月7日以降に着手し、10月中に完成させ、11月に式典を開く。

 広島銀は前身の芸備銀行時代に原爆の惨禍に遭い、役職員144人が亡くなった。64年11月、中区紙屋町の本店新築を記念して、祈りの泉を建設した。「恒久平和への祈りを新たにするとともに、観光資源としても地域の発展にさらに貢献する場にしたい」としている。(村上和生)

(2018年8月2日朝刊掲載)

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