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胸に刻む戦争の愚かさ 大竹の児童 被爆者に聞く

 大竹市元町の被爆者大石雅子(のりこ)さん(85)が2日、同市の栄公民館で地元の小学生15人に自らの体験を語った。児童は真剣な表情で耳を傾け、戦争の愚かさを胸に刻んだ。

 12歳だった大石さんは広島市南区の比治山高等女学校(現比治山女子中・高)で被爆し、同時に母を亡くした。「物資は配給、店もないつらい時代。家族を捜し歩き丸1日半、何も食べられなかった」と若き日の悲しみを振り返った。

 最後に「原爆を考えたのも人間。正しいことは何か、しっかり考える人になってください」と呼び掛けた。児童は、約41万人が終戦後、大竹港に引き揚げた様子などを紹介したDVDも鑑賞した。

 栄公民館と住民グループ「栄町を明るくする会」、地区子ども会の主催。大竹小6年江川侑来(たすく)君(11)は「戦争はなくなってほしい」と力を込めた。学習の一環で4日、児童は地元栄町地区の戦争遺構を巡るサイクリングをする。(白石誠)

(2018年8月3日朝刊掲載)

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