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あの日の惨状 絵画展 江津市有福温泉

 原爆投下直後の惨状を描いた絵などを通じて平和の尊さを訴える企画展「祈りの夏」が、島根県江津市有福温泉町の湯町自治会集会所で開かれている。2013年に原爆被爆者有福温泉療養研究所「有福温泉荘」が閉鎖され、被爆者との交流が減る中で、次世代にあの日を伝えようと、同自治会が14年から毎年開催している。15日まで。

 広島市内の被爆者が描いた絵の複製30点を展示。焼けただれた肌で避難する人たちの行列、子どもを抱きかかえるようにして亡くなった母親…。どの絵にも被爆者の悲しみが込められている。同市内の小中学生が描いたポスター30点も並ぶ。いずれも原爆資料館(中区)から借りた。漫画家の故中沢啓治氏のメッセージをまとめたDVD「はだしのゲンが伝えたいこと」の上映コーナーもある。

 同自治会の盆子原温会長(68)は「平和の大切さと、多くの被爆者を癒やした有福温泉の思いを伝えていきたい」と話している。6日午前8時ごろから、同集会所で追悼式典を開く。(梨本晶夫)

(2018年8月3日朝刊掲載)

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