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8・6登校 4小学校中止 広島「安全確保できぬ」

 西日本豪雨で大きな被害が出た広島市安芸、安佐北両区の市立4小学校が、6日の「原爆の日」に校内で実施予定だった平和学習を中止したことが分かった。施設に土砂が流れ込んだり、通学路が被災したりしたため、「児童の安全を確保できない」と判断した。(永山啓一、鐘尾佳子)

 中止したのは安芸区の矢野小と畑賀小、安佐北区の三田小と井原小。

 矢野小では校舎1階に泥が流れ込んだ。校庭は土砂などの仮置き場に、体育館は避難所になっている。当日の「平和のつどい」では、児童が各教室で市の平和記念式典のテレビ中継を視聴。その後、体育館で6年生の発表などを予定していた。

 広本典子校長は「23日の学校再開を目指しているが、めどは立たない。土砂が流入した放送室や体育館がいつ使えるようになるかも分からない」と話す。

 三田小は近くの三篠川の氾濫で校庭の約5分の1が流された。児童が通学で使うJR芸備線も不通のまま。6日の式典では同小6年の代表が「平和の鐘」を突くため、テレビ中継で見守る予定だった。冨樫正彦校長は「通学の安全を考えると仕方ない。各家庭で平和の大切さを考えるよう呼び掛ける」とする。

 市教委によると、市立小142校のうち128校、市立中63校のうち41校は予定通り6日に平和学習をする。うち体育館が避難所になっている安芸区の矢野南小、矢野西小は会場を各教室に変更する。

 教職員の勤務を巡る法令の影響で、市立小中学校は昨年の「原爆の日」に登校日を設けられなかった。今年は市が文部科学省と協議し、法令解釈を変更。8割以上の学校が「8・6登校日」を再開することになった。

(2018年8月3日朝刊掲載)

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