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「核のない未来」へ議論  原水禁など 広島大会始まる

 原水禁国民会議などの原水爆禁止世界大会の広島大会が4日、広島市中区で始まった。「核のない未来」を目指し、核兵器廃絶や脱原発の道筋を話し合う。日本原水協などの世界大会・広島も同日、中区で開幕。いずれも6日まで開かれる。

 原水禁などの開会総会は2200人(主催者発表)が集まった。大会副実行委員長の佐古正明氏は「被爆の実相や核を巡る情勢を学び、地域の原水禁活動の先頭に立ってほしい」とあいさつ。核軍縮のほか、日本のエネルギー政策や東アジアの非核化なども討議する方針を確認した。

 被爆者代表の桑原千代子さん(86)=南区=は、爆心地から800㍍先で熱線を浴びた体験を証言。「二度と核を使ってはならない。平和を守るため自分なりにできる努力を」と呼び掛けた。

 一方、原水協などは、この日まで中区で3日間開いていた国際会議を終え、世界大会・広島を開会。5千人(主催者発表)が参加した。核兵器禁止条約を推進するアイルランド外務省のジェイミー・ウォルシュ軍縮不拡散副局長は、核保有国が条約に反対する現状に「廃絶を求める世論が私たちに力をくれる」と訴えた。

 路線対立から分裂した原水禁の前事務局長で、市民団体「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」共同代表の福山真劫氏も登壇。原水禁を代表して来ていないとした上で「安倍政権の暴走を止め、核軍縮や脱原発などを進めるには全ての市民や団体が連携する必要がある」と強調した。(田中美千子)

(2018年8月5日朝刊掲載)

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