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10代と語る核廃絶への道  広島でICAN・川崎さん

 核兵器禁止条約の制定に貢献し、昨年ノーベル平和賞を受賞した非政府組織(NGO)「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICANの国際運営委員、川崎哲さん(49)が10代の若者と語り合うイベントが4日、広島市東区であった。小学生から大学生までの16人が参加。川崎さんは「廃絶を訴える仲間を増やしてほしい」と語り掛けた。

 川崎さんは、世界に核兵器が1万4千発余りあると説明。「大量虐殺をする人道上許されない兵器。市民に対し初めて使われて100年になる2045年までには、なくさないといけない」と力を込めた。

 参加者からは「核兵器廃絶へ、私たちにできることは何ですか?」「核兵器を持つ国の緊張関係で平和が保たれると言う人も多い」といった質問が相次いだ。

 核抑止論について、川崎さんは「その考えを持つ人が国内外に多いことが最大の課題」と指摘。打ち破るには、核戦争になった場合の被害を具体的に想定し、被爆者の言葉を世界に広める必要があるとした上で、「被爆者の話を聞き、核兵器廃絶を迫力を持って訴えられる人になって」と呼び掛けた。

 高校の部活動で核兵器廃絶を求める署名活動をしている福山市の盈進高3年高橋悠太さん(17)は「周りから『廃絶なんて無理だ』と言われることもある。川崎さんに勇気をもらった」と語った。(永山啓一)

(2018年8月5日朝刊掲載)

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