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映画舞台旧中島本町で慰霊祭 「この世界の片隅に」監督・のんさん参列

「奪われた日常忘れない」

 原爆で壊滅し、現在は平和記念公園になっている旧中島本町の住民たちが、公園内で慰霊祭を営んだ。同町が登場するアニメ映画「この世界の片隅に」の片渕須直監督と、主人公すずの声を担当した俳優のんさんも駆け付けた。

 町の復元地図板がある「平和乃観音」像前で約80人が参加。のんさんは疎開などで助かった元住民の話に耳を傾け、「お体を大切に」などと声を掛けた。続いて片渕監督と2人で焼香し、犠牲者に思いをはせた。

 片渕監督は「映画を通じて町やゆかりの方と巡り合えた。原爆で奪われた多くの日常があったことを忘れない」と目を潤ませた。

 2人はこの日、広島県庁も訪問。西日本豪雨の被災者支援のため、義援金の目録を湯崎英彦知事に手渡した。のんさんは、映画の舞台にもなった呉市の被災について「衝撃を受けた。皆さんに元気を届けたい」と話した。(栾暁雨)

(2018年8月7日朝刊掲載)

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