×

ニュース

「核保有国への圧力」 ICAN川崎さん講演

 核兵器禁止条約の制定に貢献し、昨年ノーベル平和賞を受賞した非政府組織(NGO)「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)の国際運営委員、川崎哲(あきら)さん(49)が6日、広島市中区で講演した。「条約は核保有国への無言の圧力になる」と意義を訴えた。

 川崎さんは、昨年の条約採決で賛成した122カ国・地域を示し、現在60カ国が署名していると説明。2019年末にも発効する見通しとし、「核を持たないことが当たり前という大きな転換が世界で始まろうとしている」と期待した。

 一方、南北首脳会談や米朝首脳会談が実現しながらも、緊張状態が続く国際情勢に言及。「国の主導者のきまぐれで核の使用リスクが高まっている」と警鐘を鳴らした。その上で、核廃絶に向けた市民活動の高まりの重要性を説いた。

 条約に批准しない日本政府の方針については「原爆の日に核廃絶の必要性を世界に訴えているにも関わらず、核は要るという側に立っている」と指摘した。

 市民や学生たち約100人が参加。広島大平和センターが主催した。(新山京子)

(2018年8月7日朝刊掲載)

年別アーカイブ