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酷暑の平和式典 霧や冷水に一息 参列者 救護所利用相次ぐ

 酷暑の中で6日、開かれた広島市の平和記念式典。会場の平和記念公園(中区)には早朝に訪れる人が目立ち、冷水やおしぼりのサービスに人だかりができた。午前8時開始の式典の最中に気温は30度を超え、熱中症などによる救護所の利用も相次いだ。

 原爆慰霊碑には、日が昇りきらないうちから長い列ができた。午前6時すぎに来た安佐南区の北山順子さん(75)は「最近は特に暑く、毎年涼しい時間帯に来ています」と、原爆の犠牲になった母を悼んだ。

 36張りのテントの一角から噴き出す霧や無料提供の冷水に、参列者は一息ついた。おしぼりも3カ所で配布。兵庫県宝塚市の看護師高野亜由子さん(38)は「おしぼりがあるなしでは全然違う。ありがたい」と汗を拭っていた。

 扇子であおぎ、木陰で休む姿も。冷房が効き、式典の中継映像を流す広島国際会議場のフェニックスホール(1500席)は約900席が埋まった。同じく中継会場のヒマワリで東京都杉並区の俳優傍島ひとみさん(28)は「気分が悪くなり屋内に入った。本当に暑く助かった」と話した。

 36人が熱中症などの症状を訴え、救護所で処置を受けた。広島地方気象台によると、中区は午前8時34分に31・5度を記録。上空が暖かい空気に覆われ、熱帯夜の影響もあり、朝から気温が高くなった。(江川裕介、辻本夕貴)

(2018年8月7日朝刊掲載)

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