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8・6忘れない 江津や松江 各地で追悼式

被爆してやけど。どんなに苦しかったか

 広島市に原爆が投下されて73年となった6日、島根県内でも追悼式などがあり、地域住民や被爆者たちが核兵器の廃絶と平和への祈りをささげた。(梨本晶夫、口元惇矢)

 江津市有福温泉町の湯町自治会集会所であった原爆死没者追悼式には、地域住民約30人が参列した。午前8時15分、全員で黙とうし、祭壇に折り鶴を供えて献花した。追悼式は2013年末に閉鎖した原爆被爆者有福温泉療養研究所「有福温泉荘」で毎年開かれていた式を引き継いだ。

 川波小6年李順君(11)は、修学旅行中に広島市中区の原爆資料館で見た背中をやけどした被爆者の写真を思い出しながら「どんなに苦しかったか想像しながら平和を祈った」と話していた。

 松江市学園南の北公園にある原爆慰霊碑前では、被爆者と被爆2世計15人が早朝から周辺を掃除し、広島市の平和記念式典に合わせて黙とうした。

 ラジオで松井一実広島市長の平和宣言などを聞いた後、慰霊碑に花を手向けた県原爆被爆者協議会の原美男会長(91)=松江市玉湯町=は「決して忘れてはならない日。平和の尊さを後世に伝え続けなければならない」と訴えた。

 慰霊碑周辺では、毎年7月から慰霊式を開く10月まで県被爆二世の会を中心に月1回程度、清掃活動をしている。同会の松浦広昭会長(69)=同市浜佐田町=は「核のない世界を目指して、2世の活動も広げていきたい」と話していた。

 今年3月末の県内の被爆者は918人。平均年齢は87・59歳となった。

(2018年8月7日朝刊掲載)

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