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戦時の同年代 どう生きた 世羅2中学 高齢者招き平和学習

 世羅町内の二つの中学校で6日、地元の高齢者が戦時中の体験などを語る平和学習があった。

 世羅西中(黒川)には2人が訪れ、生徒約40人が聴いた。原田隆文さん(91)は、1945年に大竹海兵団へ入隊。終戦後に見た書類で、特攻隊への配属が決まっていたことを知ったという。「終戦になったから生き延びることができた。若い命を無駄にする愚かな作戦だ」と訴えた。

 槙橋利三さん(80)は45年6月に出兵先のフィリピンで戦死した父について語った。「未来ある皆さんが、過ちを二度と繰り返さない国にしてほしい」と求めた。3年中山直士(なお)君(14)は「今ある平和への感謝の気持ちが強くなった」と話していた。

 甲山中(西上原)では、田中光政さん(92)=小世良=が約120人を前に、零式艦上戦闘機(ゼロ戦)などに約300回搭乗した体験を説明した。千葉の航空隊で戦友の戦闘機が撃墜され、火を噴いて落下。田中さんも、浴びせられた弾丸が座席後ろの通信機を貫通したと振り返った。

 3年神田七星(ななせ)さん(15)は「死ぬのが当たり前の覚悟に驚いた。平和への願いを、私たちの世代が語り継ぎたい」と話していた。(神下慶吾)

(2018年8月8日朝刊掲載)

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