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嘉代子桜よ平和広げて 長崎の市民団体が3本植樹

■記者 山崎亮

 長崎市で被爆死した林嘉代子さん(15)=当時・写真=を悼み、桜の苗木を植えて平和への思いを広げようと、同市の市民団体「かよこ桜植樹募金委員会」(田中安次郎代表)が18日、広島市東区の二葉の里地区に3本を植えた。地元住民も協力し、「被爆者の思いを伝えたい」と願いを込めている。

 嘉代子さんは爆心地から約500メートルの城山国民学校(現・城山小)で、学徒報国隊員として勤務中に被爆死。花が好きだった嘉代子さんをしのび、母の津江さん(故人)が1949年、同校に50本の桜を寄贈し、今も6本が春に花を咲かせる。

 全国に思いを広げようと委員会が昨年4月から、地元で「嘉代子桜」を伝える活動を始めた。被爆地の広島でもと、原爆で焼失した桜並木をよみがえらせる活動を続ける特定非営利活動法人(NPO法人)「二葉の里に桜並木を復活させる会」(田辺良平理事長)に協力をあおいだ。

 植樹式には約30人が参加。苗に土をかけ、水をやった。田辺理事長(74)は「同じ被爆地で桜を植えることは意義深い。大切に育てたい」とし田中代表(66)は「長崎・広島に植えたことがスタート。被爆者の思いを次世代に伝えていきたい」と話していた。

(2009年2月19日朝刊掲載)

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