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魅力的 インドネシア民話 佐伯区・横山さん出版 平和願い翻訳 

 太平洋戦争でインドネシアに従軍した広島市佐伯区の横山幸夫さん(87)が、同国の昔話を日本語訳した本「インドネシア群島民話集」を出した。代表を務めるインドネシア語同好会の活動で、18年間にわたり書きためた中から厳選した。(村上和生)

 四六判、252ページ。ジャワ島の若者が身を投げて火山の噴火を鎮めたという伝説や、魚の化身と結婚した農民男性が秘密を守れずに全てを失ったスマトラ島の言い伝えなど28話を収録する。

 広島アジア大会(1994年)を機に楽々園公民館で同好会の活動を始めた。「人間味あふれる登場人物が多い」と民話に着目し、翻訳した約350話から、人々の信仰や教訓を描いた話などを幅広く選んだ。

 横山さんは18歳から3年間、海軍職員や陸軍兵士として、同国やシンガポールなどに従軍。インドネシア各地で戦死した友人約50人の慰霊のため現地を十数回訪れ、親切に案内してくれる住民の多さに感銘を受けた。訪問の際に、100冊以上の民話の本を買い集めたという。

 民話集は文芸社刊。1500円。横山さんは「現地を訪れ、民話に触れられるのは平和だからこそ。思いを込めて翻訳を続けたい」と意気込んでいる。

(2013年1月25日朝刊掲載)

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