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安倍内閣1ヵ月 中国地方選出議員が存在感

 第2次安倍内閣の発足から1カ月、中国地方選出の閣僚が存在感を発揮し始めた。岸田文雄外相(広島1区)はアルジェリア人質事件で外交交渉の陣頭指揮に当たり、緊張の危機対応が続く。

 25日午前9時前、首相官邸であった人質事件の対策本部会合。岸田氏は終始、厳しい表情を崩さなかった。正午すぎ、省内での会見では犠牲者を悼み、「情報収集に最大限努力したが、強化すべき点もある」とかみしめるように話した。

 事件が発生した16日深夜にアルジェリア外相との電話会談で人質の命最優先での対応を強く要請。連日、関係国の外相にも協力を呼び掛けてきた。退庁が未明になった日も記者団の取材に応じ、入り乱れる情報への対処の難しさをにじませた。

 事件発生前には東南アジア諸国連合(ASEAN)3カ国とオーストラリアを初外遊。経済、安全保障両面で連携強化を確認した。18日からの訪米は「0泊3日」で強行。沖縄県・尖閣諸島問題で、クリントン国務長官から中国をけん制する発言を引き出し、2月後半の首脳会談へつなげた。同行者は「安心できる」と堅実な仕事ぶりを歓迎する。

 ただ、外相会談では事件対応に押されて核軍縮が議題から落ちたという。米軍普天間飛行場(沖縄県)の移設など課題山積の中、会見で「地域の平和と安定のため、日本外交の責任の大きさを痛感している」と語った。(岡田浩平、武河隆司、山本洋子)

(2013年1月26日朝刊掲載)

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