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「加藤の業績 もっと知って」 広島県出身初の首相 NPO 広島市に銅像寄贈

 広島県出身者では初の首相となった加藤友三郎(1861~1923年)の銅像が、広島市に寄贈されることになった。建立から10年を機に、所有者のNPO法人が「市と協力して加藤の業績をもっと広めたい」と申し出た。

 銅像は、中区基町の中央公園に立つ。高さは台座を含めて4・5メートル。比治山公園(南区)にあった銅像が、戦時中の金属供出で失われたことを惜しんだ市民有志により、2008年に再建された。

 再建後、市民有志はNPO法人「加藤友三郎顕彰会」を結成。銅像の管理や、加藤を紹介する冊子の作製などを進めてきた。

 加藤は海軍出身ながら、欧米と協調して軍縮に取り組んだことで知られる。顕彰会の田辺良平副理事長(83)は「国防費の膨張で破綻寸前だった日本経済を現実路線で救った」と強調。地元での知名度向上や、修復など将来の維持管理に向け、市と連携を深めようと寄贈を打診したという。

 市緑政課は「軍縮を主導し、本市の平和推進の理念に合う。郷土の誇りとして顕彰に協力したい」とする。

 顕彰会は25日午前11時から、中区基町のメルパルク広島で、銅像再建10周年の記念祭を開く。同11時半から、外務省外交史料館(東京)課長補佐、白石仁章さんが講演。日本外交に加藤が果たした役割を解説する。無料。講演後の懇親会は、参加費5千円。田辺副理事長☎090(7125)5526。(城戸良彰)

(2018年8月18日朝刊掲載)

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